歯髄再生治療のメカニズム

歯の神経を回復・再生させる仕組み

歯髄再生治療において、どのように治療が進んでいくのか、より詳しくご説明いたします。

  1. 不用歯の除去不用歯の除去
    噛み合わせに関係ない親知らず、矯正治療のために抜く予定の歯、生え変わる前の乳歯などを抜歯します。
  2. 歯髄幹細胞の採取・培養歯髄幹細胞の採取・培養
    抜歯した不用歯から、歯髄幹細胞を採取し、約1ヵ月かけて培養します。品質検査後、安全に保管します。
  3. 根管内の除菌抜髄・根管内の除菌
    治療の対象となる歯の根管内を完全に除菌します。
  4. 歯髄幹細胞の移植歯髄幹細胞の移
    治療の対象となる歯の根管内に、不用歯から採取・培養した歯髄幹細胞と遊走因子G-CSFを移植します。
  5. 血管新生因子・神経栄養因子を放出、従来の幹細胞が根管内へ遊走血管新生因子・神経栄養因子を放出、従来の幹細胞が根管内へ遊走
    移植細胞からのtrophic因子とG-CSFの相加作用により、歯の周囲組織から在来幹細胞が根管内に引き寄せられてきます。移植した細胞が根管内に留まり、血管新生因子、神経栄養因子を放出します。
    遊走因子G-CSFと血管新生因子・神経栄養因子によって、歯の周囲組織から幹細胞が根管内へと遊走(移動)します。
  6. 血管新生・神経伸長・歯髄再生血管新生・神経伸長・歯髄再生
    血管や神経が伸びるとともに、根管内に入ってきた細胞が歯髄固有の細胞に分化して歯髄が再生されます。
  7. 被蓋象牙質形成被蓋象牙質形成
    再生歯髄面上に骨様象牙質が形成され、その下にさらに象牙芽細胞が並び、根管内部方向へ細管象牙質が形成されます。

歯髄の幹細胞がもつ特徴

歯髄幹細胞は、象牙質の内側にある軟組織です。歯髄化細胞には、以下のような特徴が見られます。

  • 活発に増殖する性質がある
  • 多分化能(さまざまな細胞に変化できる力)がある
  • 腫瘍化・がん化するリスクがほぼない
  • 年齢にかかわらず歯髄があれば採取できる

再生医療の躍進につながる「歯髄幹細胞」の可能性

再生医療の躍進につながる「歯髄幹細胞」の可能性歯髄幹細胞は、当院が行う歯髄再生治療に加え、歯槽骨再生、歯周組織再生、インプラントのオステオインテグレーションなどへの応用が想定されています。
さらにその可能性は口腔内に留まらず、身体の血管や神経、筋肉、臓器に生じた疾患に対する再生医療での応用も期待されています。
当院と提携するアエラスバイオ㈱は、2020年に「歯髄幹細胞バンク」を開設しました。歯髄再生治療だけでなく、先述したような全身のさまざまな組織の再生治療のために利用できる機関として運用を目指します。

将来に備えた「歯髄幹細胞」の保管

将来に備えた「歯髄幹細胞」の保管 当院が入る国際くらしの医療館・神戸の2階には、アエラスバイオ㈱の細胞培養加工施設があり、こちらの歯髄幹細胞バンクで歯髄幹細胞の保管を行っております。
歯髄再生治療のみならず、将来的には脳梗塞、心筋梗塞、アルツハイマー病、脳血管障害、白血病、悪性腫瘍(がん)、再生不良性貧血、脊髄損傷の治療へと応用する予定です。また、数年以内に二親等までの歯髄幹細胞移植による歯髄・象牙質再生治療の実施を見込んでいます。
ご自身の、そしてご家族のお口・お身体の健康を守るサービスの利用を、ぜひこの機会にご検討ください。

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